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Rhys filmarathon/ Christmas Carol

まだ暑いのにもうクリスマスか、とお思いでしょうが、少し前に発表されましたが、リスさんは今年はオールド・ヴィク劇場で『クリスマス・キャロル』のスクルージをやるんです。

去年は秋の終わり頃に同じオールド・ヴィクで『キング・リア』に出演、道化役でした。『キング・リア』は現代版なのか衣装がスーパーマンのロゴ入りガウンでした。リア王役はグレンダ・ジャクソンさんという女優さん。wikiによると現在81歳、女優から労働党の政治家になり運輸大臣を務めたこともある方のようです、同一人物か自信がないですが、お顔が似ています。

オールド・ヴィク
こちらのサイトのレビューにも、80歳だけど彼女は素晴らしい、と書いてありますね。
wiki グレンダ・ジャクソン

リスさんは女性監督の作品に3本も出ているし、リスさんマラソンをするまではそういうことも知らなかったので意外でした。
最近は「ブレグジット撤回せよ(CANCEL BREXIT)」Tシャツで写っていたり(Instagram @lahamnett デザイナーのキャサリン・ハムネットさんが行っている運動、少し前に市内でデモもされたようです、シェルターcymruというウェールズのホームレスシェルターのアンバサダーをされたり、今年3月ごろ難民の子どもに適職や生活や教育をというデモにもトビー・ジョーンズさんやジョエリー・リチャードソンさんと参加していました。ごく最近の話題ではウェールズの地元のパブが閉店しそうなので新しい出資者求むという広報活動もされていました。パブの話は、ニック・フロストとサイモン・ペグの映画『ワールズ・エンド』でも故郷に帰ったらチェーン店のパブばかりになっていたとか、TV番組でも大勢の町民が出資して維持しているパブが出ていましたし、そういう時代なのかなと思いました。他にもウェールズ語を残す活動もされています。出演作の映画『アンダー・ミルクウッド』(ウェールズの詩人ディラン・トマス作)も英国の映画賞を取っていましたが「外国語部門」なのに驚きました。同じ国じゃないのって、連合王国なのにさ。でも本当にウェールズ語は全く違います。

いろんなことをされているようで、いろいろ織り交ぜたのがリスさんと思います。過去のインタビューによると40過ぎてから車の免許を取ったそうですが、その時の有名人御用達のドライビングスクールの先生が「一番おもろい生徒だった」とFBに投稿しているのをファンサイトの方が発見していました。

さて『クリスマス・キャロル』ですが、おじいさん路線だあと思ったのですがニュー・エディションと書いてあるので、原作そのままではないようです。またヴィジュアルが20年くらい前のすごくいい写真使っていてちょっとずるいなと思いました。ディケンズの『クリスマス・キャロル』はけちんぼのスクルージが3人の幽霊に脅されて改心する話というくらいしか知らないので読んでみました。新潮文庫は村岡花子さんの訳で、ホームズの延原謙さんの訳のように現代に合わせて少し改変されていますが、ユーモラスですぐ読めました。やっぱりキャラがリスさんにはまる気がして、リスさんの声で脳内再生して読めました(ちょっと危ないやつかもしれない)。リスさんは日本語喋るわけはないのですが。

スクルージは金貸で共同経営者が数年前に亡くなり一人きりの雇用者に厳しくするばかりで、クリスマスの寄付を募る男にも、私は税金をたっぷり払っているし困っている人は税金で運営する救貧院に行けばいいと寄付を断る男です。そんなスクルージの元へ過去、現在、未来を見せる幽霊が3人順番にやって来ます。幽霊がやってくる前、ドアの取っ手が亡くなった共同経営者の顔に見えるのなど軽いホラー表現、ディズニーの喋るカップや動く燭台などに慣れているのでそんな感じに想像できますが、さて舞台の上ではどう演出するのだろう。そしてディケンズは19世紀前半の人だけどそういう想像をしていたのだなあと。原作を読んでみて初めて知ったのが、スクルージには若い頃に恋人がいたこと。でも仕事にのめり込むスクルージのために、彼女は持参金付きの嫁をもらうべきだと思って身を引いたそうです。そういう若い時代も演じるのかなあと、見に行けるはずもないのに色々妄想。元恋人の夫がクリスマス前に一人で事務所にいるスクルージさんを見たよ、寂しそうだねと妻に話しています。そのもっと昔のスクルージが丁稚だった時代、店の主人は今のスクルージよりもずっと優しい人でしたが、スクルージと他の丁稚は「仕事が終わると帳場の下の寝床に潜り込む」と書いてあって、地下なのか、どんな状態か構造か想像もつかないです。

スクルージの身寄りは甥の家族がいるだけで、彼らにも長い間会っていない。3人の幽霊に、雇用者一家が貧しいながらも家族で楽しく過ごしている様子や「あんたそんなじゃろくな死に方はしないヨ」という未来を見せられてスクルージは改心します。昔の小説で子どもも読めるものだからか、私の感覚ではスクルージの改心がとても素直に思え、もっと頑固者を強調したくなりました。原作の時代には変わり者だった人が、現代にはとてもたくさんいる気がします。
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